11月11日から13日開催のフィギュアＮＨＫ杯は高橋大輔・鈴木明子が金、小塚崇彦・浅田真央が銀。24日から27日開催のロシア杯は羽田結弦・浅田真央が金▼ブータン国は3月12日に東日本大震災の供養祭を催し、6日後に義援金100万ドルを寄付。国民平均年収は15万円ほどだが、72年にＧＮＨ（国民総幸福量）を提唱し、05年は96.7％に達した。15日から20日若く美しい国王夫妻が来日。国会で「最悪の状況を国民は静かな尊厳、自信、規律、強い心で対処している」と讃え、「国際的にもいつも支援」を約束。相馬市立小学校や金閣寺なども訪問▼国王が度々口にされた「ダショー・ニシオカ」とは、64年国際協力機構（ＪＩＣＡ）から農業指導に訪れた西岡京治（けいじ）氏の事。棚田を作り、灌漑、架橋、道路は現地技術や物資利用し自給率86％へ。温厚で粘り強い指導は尊敬を集め、80年に外国人で初めて最高爵位「ダショー」が授与。92年、帰国直前59歳で急死。チベット仏教で盛大な国葬が営まれ、今も「ブータン農業の父」と慕われている▼21日、茨城県立水戸第二高校の「ＢＺ反応研究」の論文が米化学学会誌The Journal of Physical Chemistryに掲載。酸化と還元の周期変化を、触媒にフェロンを使い赤と青に変化させるポピュラーな実験だが、そのまま2日間放置し黄色に変色したのを発見。100回以上の実験の末、一定濃度だと5時間から20時間後に再振動を始めるのを確認。物理学会Ｊｒで発表し、偶然居合わせた米物理学者トミオ・ペトロスキー氏の目に留まる。氏の恩師は「ＢＺ反応」でノーベル化学賞を受賞したイリア・プリコジン。学術論文提出進言しアドバイザーとなり今回の快挙となった▼同校はＳＳＨ（スーパー・サイエンス・ハイスクール）。平成14年に学技術系人材育成に設置され、本年は145校、予算24億円。質の高い指導者の充実も願う▼22日、古川聡さん167日ぶり地球帰還▼23日小雪（しょうせつ）の朝、訪れた長野の湯田中に初霜。林檎が赤く実り、錦の山々の後ろの黒姫や妙高に雪帽子▼震災直後、世界は日本被災者の秩序、冷静、復興への意欲に驚き、日本の強さを賞賛した。日本人は欠点ばかり気になるが、世界の評価を素直に受け入れ、誇りと自信を持って、新しい年を迎えたい。

　金木犀の香りの中、10月13日サントリーホールのウィーン・フィルハーモニー管弦楽団を、カラヤン広場でパブリックビューイング。500席ほどの椅子は、ワインや食べ物片手の人々で一杯。犬や子供の声もしたが、演奏は素晴らしくアンコール曲の「美しく青きドナウ」の華麗なワルツ、「雷鳴と稲妻」の力強いポルカが終わると割れるような拍手。辞退者が多くＯＢを集めての来日と聞くが、指揮者エッシェンバッハ氏を始め、日本を思う気持ちが質の高さとなったのだろう▼同日、ウィーン・フィルの100万ユーロの寄付を受け、サントリーも同額出資し、200万ユーロ（約2億1千万円）の「ウィーン・フィル＆サントリー音楽復興基金」の設立を発表。又、団員による被災地での子供達と家族の為のコンサートも5年間開催予定▼７日から16日、東京体育館で第43回世界体操競技選手権開催。男子個人総合で内村航平（22）が大会史上初の三連覇達成。床は金、鉄棒は銅。「エレガンス賞」も受賞。山室光史（22）は総合と吊り輪で銅、沖口誠（25）は跳馬で銅。団体は銀。開催が危ぶまれたが、良い結果も出て心が和む▼20日、リビアのカダフィー大佐（69）死亡。殺害前後のリンチ映像が世界中に流れた。アラブに優しい春風がそよぐ日が待ち遠しい▼23日、トルコにＭ7.2の地震。3月の被災の際に受けた恩を返せると良いが▼26日、東京に木枯らし1号。新月の夜空に木星、オリオン、シリウスが輝く▼31日、オセアニア外国為替市場で１ドル＝75円32銭の最高値に▼同日、国連は世界人口が70億人突破と発表▼タイではモンスーン期に洪水は例年あるが、今年は10月始めに洪水被害が報道されてから拡大し続け、日系企業447社がある7つの工業団地は次々と浸水、水没。月末の時点では首都バンコクも冠水。さらに200社ほどある7工業団地の警戒が伝えられ、日本の産業に大きな打撃。起き上がり小法師に日本を託す思いである。

　 9月1日、日本文学研究者のドナルド・キーン米コロンビア大名誉教授（89）が、東日本大震災から6ヶ月、日本国籍を取り永住の為来日▼1日〜11日の女子サッカーアジア予選。4勝１分けでロンドン五輪出場決定▼8日、ノーベル化学賞受賞者の田中耕一研究チームは乳癌悪性化に関わる蛋白質構造解析成功を発表▼11日、同時多発テロから10年。米国民の爆撃の恐怖と悲哀は未だ癒（いえ）ない。そして世界では今も爆撃の渦中の人々、子供達がいる▼12日中秋の満月の夜、カネタタキが家に入り「チッチッチッチ」と鳴く。以来拙宅を定住の地と定めたらしい。多くの虫の命も人間の舵取りの中。大切に守りたい▼23日、CERN(欧州原子核研究機構)は、日本の名古屋大学を含む11カ国の3年間の実験の結果、光速より60ナノ秒速く到達するニュートリノを観測したと公表。1905年アインシュタインの特殊相対性理論は、質量を持つ物体は光速を越えぬと仮定。タイムマシンの可能性否定が覆（くつがえ）る、新しい科学の時代の到来か▼世界人口69億人の内、キリスト教徒22億人、ユダヤ教徒1千万人、イスラム教徒13億9千人。キリスト教とイスラム教はユダヤ教を起源とし、旧約聖書は共有世界。1947年イスラエル建国の年に、死海そばのユダ砂漠の洞窟の石壺から遊牧民少年が文書発見。｢死海文書」と呼ばれユダヤ国滅亡の70年頃、エルサレム神殿図書館から持ち出されたと推察。26日、イスラエル考古学庁はgoogleと共同でインターネット公開。ヘブライ語にカーソルを当てると英語訳が出る。日本のクリスチャン100万人を含め、「イザヤ書」を繙（ひもと）いているだろう▼28日、全日空発注のボーイング787初号機が羽田到着。ボーイング社と同じ35％が日本製の準国産品。炭素繊維複合材で強度と軽量化に成功し、航続距離が大型機並のエコ中型機。中都市から中都市を結ぶ新たなビジネスチャンスに期待する。

　66年前、８月７日は広島の空に沢山の星が流れた。人々は、燃え尽きる命に見えたと言う。今年のペルセウス座流星群は13日が極大日。旧盆の空を飾った▼18日、「なでしこジャパン」選手とスタッフ35人に国民栄誉賞▼24日、アップル社のスティーブ・ジョブズ氏(56)がCEO(最高経営責任者）を辞任。同社を創立し1977年に「アップル�U」、1984年に「マッキントッシュ」のパソコンを出しすが解雇。その後アニメスタジオ設立し『トイ・ストリー』等、アニメ完全ＣＧ映画作成。一方低迷のアップル社は、1996年再び同氏を迎える。デザインと機能性に拘り、2001年にMac OS　Xとi Pod 、2007年i phone、2010年i padを発売。「魔法のプレゼン」と言われる巧みなプレゼンテーションとスピーチは人々を魅了するが、近年は姿を見せる度に痩せていた▼25日、ブラジル・アマゾン川全長約6,500�q、川幅１〜100�qの地下4,000ｍ下に、幅200〜400�qの地底河川を、ブラジル天文台のハムザ博士等が発見し｢ハムザ川」と命名したとブラジル科学会議で発表。水は堆積盆地の多孔質岩石を年間数�pの移動。地球の奥深さを改めて知る。ダムや汚染のない唯一の大河に広がるアマゾン熱帯雨林は、地球の25％の酸素を作り「世界の肺」と呼ばれる▼そのアマゾンにベロモンチ・ダム建設計画があり、21日、サンパウロで先住民を含む300人の反対デモ▼26日発行の米サイエンス誌は、はやぶさ特集号。微粒子分析した６大学の論文も掲載され、イトカワは10億年後には消滅の可能性が予想されている▼29日、韓国・大邱（てぐ）世界陸上にて室伏広治選手(36)が男子ハンマー投げで金メダル▼26日、菅直人首相(64)退陣会見。29日、民主代表選で野田佳彦財務相(54)選出。30日、第95代内閣総理大臣指名。泥鰌（どじょう）ではなく日本を引っ張る総理を願う。

　台湾は今年『民国百年』。恒例の年越しカウントダウンと、続く花火大会は一段と華やかだった。台北市内の世界で２番目に高い508�bの101ビルは馬総統を迎え、CDも駆使した壮麗な夜の祭典。花博の大佳河濱公園会場は、国父・孫文の顔が浮かび上がり歓声が沸いた。辛亥革命の翌1912年１月１日、南京にて臨時大総統の孫文が、アジアで初の民主共和国「中華民国」建国し『民国元年』を宣言。1925年に死去し蒋介石が継ぐ。1949年「中華人民共和国」樹立に伴い、北京から台北に遷都。この時に台湾に入った国民党の漢民族を「外省人（がいしょうじん）」と呼び、台湾の人口の13％で北京語を話す。それ以前17世紀頃から移民してきた漢民族は「本省人（ほんしょうじん）」。客家（はっか）系が15％で客家語、現地との混血を含め河洛（ほーろー）系は85％で台湾語（河洛語）。残り２％が先住民で現在は20程の部族に、言語は10ほどでインドネシア語派。日本では高砂族等呼ばれ、1974年インドネシアで日本軍残留兵の中村輝夫（スニヨン・李光輝）氏が見つかり話題となった▼筆者が台湾に赴任した1971年は戒厳令下。戦前50年間の日本統治での、インフラや産業、教育整備等が感謝され、懐かしそうに語りかける人が多かった。1949年に蒋介石・国民党発布の戒厳令は1987年まで38年間に及び、７月15日で解除され24年となる。北京語だけの言語規制も無くなり、案内は北京語、台湾語、客家語、英語。日本語も多い。街は清潔で交通機関は時刻表通り、割込み等もなく、人々は穏やかで日本人によく似た気質である▼建国百年を記念し昨年から開催した台北国際花博覧会は初めての国際展示会。上記写真は新生エリアの木陰の花壇。中央の赤いチューリップの建物が目を引き、近くの松山空港離発着の飛行機が上空を飛来した。故宮博物院にも建国を祝う100の文字▼「金物情報ニュース」も『創刊100号』を迎えた。バブル崩壊の余波が抜けきらぬ03年５月、奇しくもハヤブサ打ち上げの時、苦難覚悟の門出だったが、多くの温かいご支援を頂き深謝する日々である▼９日、被災留学生に日本政府は一人12万５千円から15万５千円を援助し、再来日の航空券支給。返済義務のない給付金１千万円が１割の学生に支給されるが、国交のない台湾は対象から外されて、台湾留学生が困惑していると報道。留学生は中国８万６千人、韓国２万人、台湾５千人。3ヶ国で留学生の約8割となる▼11日、台湾の義援金200億円突破。1999年の台湾地震の感謝というが、平均年収や物価が日本の3分の1、人口が日本の18％程からの義捐。100億円の時点で日本政府の感謝広告が無いのを知り、女性デザイナーがツイッターで発案。６千人の有志が集まり台湾２紙に感謝広告を掲載した▼21日、「アトランティス」帰還。３月に「チャレンジャー」、６月「エンデバー」が既に帰着し30年間135ミッション終了。ハップル宇宙望遠鏡も運び宇宙解明も進む。シャトルの通った国際宇宙ステーションは地球から約400�q。東日本大震災被害は約500�qにも及ぶ▼18日、独女子サッカーW杯でなでしこ金メダル。最後のPK戦前、選手達を迎えた佐々木監督の満面の笑顔に、勝利の女神も微笑んだ。上海世界水泳選手権は16日から31日まで開催。日本は銀４、銅２。来年のロンドンオリンピックでの活躍に期待する。

　6月3日、漫画家谷口ジロー氏が仏・芸術文化勲章シュヴァリエ受章▼6日、保安院は震災数日間で放射性物質77万テラベクレル放出と修正▼9日、村上春樹氏カタルーニャ国際賞受賞▼最近は「放射能」と「放射性物質」と「放射線」を正しく使い分ける人が増えた。放射能は放射線放出現象をさし、ラテン語の「放射」を意味する言葉からラジオアクティビティ（radioactivite）、発見した原子をラジウム（radium)とキュリー夫妻が命名。１９０３年にベクレル氏と共に夫妻はノーベル物理学賞受賞▼パンドラの箱を慌てて閉めようと節電が叫ばれる。60才以上の世代は昔に戻れば良いと思うが、若い世代が算盤で計算したり、パソコンを手放したり出来るのか。日本の工業が成り立つのだろうか。世界人口67億人の内、日本は1億人。中国の13億人、インドの12億人の人々が同意するとも、原爆を手放すとも思えない。彼等の消費は益々増え続けるだろう▼今一番大切なのは福島原発の終息と、日本の全原発施設の安全の見直し。悲劇は一度で良い▼27日、女子サッカーW杯NZ戦、２対１で勝利。地元ドイツ紙は、18日の韓国親善戦で頭に5針負傷の熊谷選手のフル出場を賞賛▼住友金属社員だった山田泰晴氏（72）が発起人の「福島原発阻止行動隊」が海外メディアで話題である。放射線感受性の低い60才以上の元技能者・技術者を募り、福島原発での作業を希望。30日までに原子力専門の教授から鳶職人まで各分野の熟練者が406人、賛同・応援者1,268人、支援金5百万円。HPは14ヶ国語に対応し「次世代に負の遺産を残したくない」と語る。

　５月２日、パキスタン潜伏中のウサマ・ビンラディン容疑者を米部隊が射殺。ホワイトハウスで、政府幹部がライブを見入る様子も公開▼天皇・皇后両陛下、6日岩手、11日福島、相馬にて被災者訪問▼15日、露・イワノフ副首相、24日、韓国国会議員３人が北方領土訪問▼26、27日、仏・ドーヴィルＧ８開催。福島をふまえ原発が話題となる。「アラブの春」の支持宣言▼28日、ベルギー・ブリュッセルでの第20回日・EU定期首脳協議では、ＥＰＡ(経済連携協定)交渉の即時開始を合意。和蘭(オランダ)語俳人としても名高いファン・ロンパイＥＵ大統領が英語俳句で締め括る。

▼和蘭俳句の歴史は古く、江戸の出島の商館時代から。昨年日本での第19回協議で、第1回英語俳句コンテストを開催。今年は「絆」がテーマに366句応募し、フェイスブックにもアップされた。外国語俳句は、３行詩、17音節以内、季語、切れを入れるとされるが、厳格でなく川柳も多い。今回の最優勝は、イタリアと日本の2人。

▼29日、万能細胞「iPS細胞(人工多能性幹細胞)」の開発で、山中伸弥教授がイスラエルのウルフ賞受賞▼冷却システムが止まった時点で、メルトダウンと世界は認識していた。子供達の早期疎開を願う▼世界の深憂の中、それでも信じるのは日本の現場の粘りの力。「ハヤブサ」の川口淳一郎教授の様に、福島第一原発では吉田昌郎所長が頑張っている。それが無駄にならぬよう、堅固な防波堤の至急建設を願う。