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 Paragraph  2019 バックナンバー

 

   2019年 12月号

11月2日、日露共同経済活動の試験的な北方領土観光ツアーは歓迎ムードの中、44人が根室港に帰国。終戦時の日本住民は17,291人で、現在のロシア住民は1万7千人弱。墓地52ヵ所の内30ヵ所不明で領土問題の行方も気になる▼9日、ベルリンの壁崩壊から30年。記念式典に東欧4カ国大統領が参列。鉄のカーテンの消滅、ソ連崩壊と米ソ冷戦が終わり、世界に平和が来ると信じた始まりの日▼10日、即位祝賀パレード。14日より15日、即位後初の五穀豊穣祈願の「大嘗祭」。天皇・皇后・侍従達が松明の灯りの中、平安絵巻宛(さなが)らに▼20日、橿原考古学研究所は、弥生時代前期では最大級4・3haの水田跡を発表し、10haに及ぶ可能性を示唆。稲作初期に既に潅漑のある大規模水田が作られていた発見となる▼22日、改正外為法成立。外資規制を強化し知財や技術の流出防ぐ▼22日、中国が多弾頭型大陸間弾道ミサイル発射実験。韓国は軍事情報包括保護協定失効前日、破棄通告停止▼23日から26日、教皇フランシスコ(82)来日。24日に長崎、広島を訪れ、「核兵器のない世界を」とメッセージ▼24日、香港区議会選挙は投票率71%で民主派が86%獲得し、親中派に圧勝▼27日、日本貿易振興機構は、平成30年末の対日直接投資残高30兆7千億円、5年連続の過去最高更新を発表▼28日、北朝鮮が弾道ミサイル発射▼29日、中曽根康弘元首相(101)死去。国鉄・電電・専売の3公社及び日本航空を民営化し「小さな政府」へ▼紫の斑点も鮮やかにホトトギスの花が咲き乱れている。29日は1週間ぶりに雨雲が去り、西の空に細い三日月が浮かぶ。斜め右下に宵の明星が輝き、更に右斜に木星。月の上の左斜には土星がいて、土・月・金・木と、惑星と月で直線を描く夕暮れ。<写真にカーソルを合わせ題名表示>

ホトトギスの花(港区・東京)

 

   2019年 11月号

10月1日、1989年(平成元年)に3%で導入された消費税が10%へ。5%、8%と3度目の改正▼2日、北朝鮮が準中距離弾道ミサイル発射▼8日、源氏物語54帖の「若紫」の写本「定家本(青表紙本)」発見を冷泉家時雨亭文庫が発表。冷泉家は藤原定家の子孫。紫式部死後の200年後、既に消滅した原本に近くと定家が自ら校訂したもので、「花散里」「行幸」「柏木」「早蕨」の4帖は80年前に発見されている。教科書に載っているのは、更に250年後の「大島本」。研究が進むと少し変わるのかも知れない▼9日、ノーベル化学賞を、リチウムイオン電池開発の旭化成名誉フェロー・名城大学吉野彰教授(71)受賞。14日、名城大にて「若者は貪欲に。実れば頭を垂れるが、それまではしゃっきと」と激励。共同受賞は米国テキサス大学・ジョン・グッドイナフ教授(97)とニューヨーク州立大学・スタンリー・ウィッティンガム氏教授(77)▼11日、香港騒乱で東京開催となった世界オセロ選手権は、高橋晃大(14)優勝▼12日、台風19号上陸し13都県に大雨被害。90人死亡、5人行方不明▼20日、ラグビーW杯準々決勝対南アフリカ戦は敗退したが、平均視聴率41・6%。台風で試合中止もあり、選手達は被災地ボランティア活動等。多くの日本人に感謝の言葉をかけられ感動したとのツイートも。車いすラグビーワールドチャレンジは日本3位▼22日、皇居で「即位礼正殿の儀」。雨が止み虹が掛かり、礼砲が轟き、富士山に初冠雪▼22日、国連難民高等弁務官や国際協力機構理事長を務めた緒方貞子氏(92)死去▼31日未明、沖縄の首里城火災。正殿・北殿・南殿が全焼▼北朝鮮が31日、短距離弾道ミサイル発射。今年12回目、23発▼31日、ケルト人の悪霊払いと収穫感謝祭のハロウィン。蕪や南瓜のランタンを飾り、子供達はパーティーや仮装してキャンディーを貰いに行く日。ニューヨークのヴィレッジ・ハロウィン・パレードは45年前に始り、1マイル(1.6km)を子供から年配者まで仮装して自由に参加できる。今年も参加6万人、見学200万人で楽しんだ。他国文化を日本風に変え質を高めてきた日本。若者のこれからに期待している。<写真にカーソルを合わせ題名表示>

ヴィレッジ・ハロウィン・パレード(ニューヨーク・USA)

 

   2019年 10月号

9月3日、横綱白鵬が日本国籍取得。引退後も親方として日本相撲協会へ残る道が開かれる▼1年前に白亜紀後期(7,200万年前)の恐竜・「むかわ竜」の全身骨格化石を報道公開したむかわ町は、2日後北海道胆振地震で震度6強に見舞われた。幸い化石は被災を免れ町民も喜び、7月13日から国立科学博物館の「恐竜博2019」にて、国内最大の全身実物化石と全身復元骨格が県外で初めて展示された。5日、ハドロサウルス科の新種新属として、学名「カムイサウルス・ジャポニクス(日本の恐竜神)」の命名が英・科学誌Scientific Reportsに掲載。体長8mに新しくトサカをつけ学名と共に10月14日まで展示中。地上を闊歩した恐竜達は隕石落下で絶滅した。地球の豊かさが突然奪われる危惧は常にある▼9日、台風15号が千葉県に上陸。観測史上関東上陸では最大クラス。断水は25日、停電は30日に漸く全面復旧▼9日、英国はEU離脱延期法成立▼11日、第4次安倍再改造内閣発足▼12日、ヤフーは株式公開買い付け(TOB)にてゾゾの子会社化発表。ネット通販事業拡大に着手▼12日、環境省は13年に噴火した小笠原諸島・西之島に、噴火前に生息の海鳥9種のうち5種と、昆虫、カニ、貝など多数の生物を確認と発表▼13日、明海大・渡部茂教授(68)等が「5歳児の1日の唾液量」でイグノーベル化学賞受賞。採集方法はユニークだが虫歯予防研究の基礎となった。日本は13年連続受賞中▼23日、スウェーデンのグレタ・トゥンベリさん(16)は、ニューヨーク・国連気候行動サミットで、温室効果ガス排出問題を演説し大人の責任を問う。火を手に入れて以来、人は地球を侵し続けているのかもしれない▼25日、東京医科歯科大の武部貴則教授(33)等はヒトiPS細胞からミニ多臓器(肝臓・胆管・膵臓)の作製に成功しネイチャー誌掲載。多くの患者救済が期待されている▼28日、天王寺動物園のコアラ「アーク」のお別れ会。平成元年に濠・メルボルン動物園より寄贈され始まったコアラ飼育が年間2千万円のユーカリの餌代が負担として、英・動物園へ貸出だされ31年間のコアラ飼育が幕に。屋外飼育場に入って近くで見ることが出来る貴重な場所だった。子供達も寂しがっているだろう。 <写真にカーソルを合わせ題名表示>

カムイサウルス(国立科学博物館)

カムイサウルス(国立科学博物館)

 

   2019年 9月号

8月1日、重度障害者の舩後議員と木村議員が初登院▼2日、1987年締結の米ソ「中距離ミサイル全廃条約」失効▼6日・広島平和記念式典に89ヵ国代表と約5万人、9日・長崎平和祈念式典で66ヵ国代表と約6千人が冥福と平和を祈る▼1970年に「赤い背中の少年」と題された写真の、郵便配達中16才で被爆した谷口稜曄さんは、88才で亡くなるまで核廃絶に力を注ぐ。米・スーザン・サザート氏は谷口さんを含め5人の被爆者等12年間取材し、2015年に「ナガサキ」を出版。1946年のジョン・ハーシー氏の「ヒロシマ」に継ぐものとして、2016年にアンソニー・ルーカス賞を受賞し、7月に翻訳本が発刊。英・ピーター・タウンゼント氏のノンフィクション小説「ナガサキの郵便配達」の復刻完訳版は昨年刊行され、ドキュメンタリー映画「長崎の郵便配達」は来年上映。被爆国民の担うものを思う▼6日、農水省は食糧自給率が37%で過去最低と発表▼9日、内閣府は4月〜6月のGDP成長率0.4%増と発表▼16日、初代宮内庁長官・田島道治氏の「拝謁記」公開。1952年サンフランシスコ条約で日本が主権を戻した期間を挟み、1948年から1953年の5年間の象徴天皇の模索が鮮明に▼24日、北朝鮮ミサイル発射。1ヶ月間で7回目▼29日、大阪大は世界初iPS細胞の角膜移植成功を発表▼9月23日まで松方コレクション展開催の国立西洋美術館は、60年前仏政府の返還条件として建設、ロダンの彫刻が園庭を飾る。オルセー美術館にあるゴッホの「アルルの寝室」を始め、1927年の世界恐慌時売却の大原美術館やブリジストン美術館所蔵の作品等も一堂に。 <写真にカーソルを合わせ題名表示>

国立西洋美術館

 

   2019年 8月号

アークヒルズ開発で曾祖父からの家を離れて43年、1月から拙宅前の6m幅道路下の我善坊谷から麻布台へ8.1?の再開発が始まった。飯倉の高台には昭和5年竣工の旧逓信省貯金局のアールデコの柱の重厚な建物が聳えていたが、壊され65階の日本一高いビルが建つ。目の前で日々消えていく町並みを見ながら、最近の東京はどこへ行っても道に迷うと思う▼7月1日、商業捕鯨31年ぶりに再開。領海と排他的経済水域内で操業し、4日、古式捕鯨発祥の和歌山県太地町でミンククジラ入札▼6日、大阪平野の「百舌鳥・古市古墳群」が世界文化遺産登録決定。日本最大の仁徳天皇陵の前方後円墳や応神天皇陵の他、帆立貝形墳、円墳、方墳の49基が対象で宮内庁管理の「陵墓」の登録は初めて。古墳時代最盛期の4世紀後半から5世紀後半に造られ、嘗ては100基以上あり今後の管理保存は必須であった。古代日本を振り返る機会としたい▼11日、探査機「はやぶさ2」が2回目の小惑星「リュウグウ」タッチダウンし地下物質採取成功。25日、着陸地点を「うちでのこづち」と命名。46億年前の太陽系誕生、地球の生命の起源の解明の第一歩となる。ライブ配信で多くが見守る中、管制室の歓声と安堵の表情に長い月日の努力を思う▼14日、ウインブルドン・ジュニア男子シングルスにて望月慎太郎(16)が優勝し日本人初の快挙▼18日、京都アニメーションが放火。スタジオ内74人中35名死亡、33人負傷。デジタル化に伴い資料の復元は多く出来たが、失った命は戻らない▼21日参院選結果は「改憲勢力」が国会発議の3分2に4議席不足。充分な議論は良い▼24日、東京五輪メダル発表。使用済み携帯電話等から抽出の金属で作り、市松模様のリボンは再生ポリエステル素材▼24日、安倍晋三首相はハンセン病家族訴訟の原告と家族に面会謝罪▼24日、英首相にボリス・ジョンソン(55)就任▼25日、パリのノートルダム大聖堂の火災時の鉛汚染で復旧作業中断。マクロン大統領は5年以内の再建と、焼け落ちた90mの尖塔のデザイン公募を宣言したが前途は多難。優雅なこの尖塔を見ることはもうないのだろうか▼25日及び31日、北朝鮮ミサイル日本海へ発射▼琵琶湖は約500万年に形成された、世界で3番目に古い古代湖。そこから京都まで20qの疎水が明治18年、21歳の田邉朔郎に託され、日本の技術のみで5年の月日で完成。第一トンネル入口に掲げられた伊藤博文の「気象萬千」(様々に変化する気象は素晴らしい)に始まり、山縣有朋、井上馨等の揮毫の扁額が、トンネルの中や出入口にある。田邉は「藉水利資人工」(自然の水を利用し人間に役立てる)。発電、灌漑、舟運と遷都後の京都を活性。20年後に飲料用に第2疎水が作られ、今も京都市の給水9割を担う。昨年67年ぶりに疎水の観光船が復活した。琵琶湖の透明な水に魚は泳ぎ水鳥も遊ぶ。切り開いた山林の景色の美しさに触れ乍ら、江戸から明治への歴史に思い馳せる。 <写真にカーソルを合わせ題名表示>

琵琶湖疏水・扁額「千萬象気」

 

   2019年 7月号

6月1日、東京五輪聖火リレールート発表。2020年3月26日福島を出発し、47都道府県を回り7月24日新国立競技場着▼4日、羽生善治九段が1434勝し歴代単独1位▼6日、田辺聖子氏死去(91)。大阪人らしい洒脱な作風が魅力だった▼安倍首相はイランにて12日・ロハニ大統領、13日・最高指導者ハメネイ師と会談▼13日、ホルムズ海峡で日本とノルウェーのタンカーが襲撃に▼18日、新潟県村上市震度6強、山形県鶴岡市震度6弱。日本は地震の活動期で、各地でも警戒が必要▼16日、ル・マン24時間レースは、トヨタ初連勝▼19日、改正児童虐待防止法及び改正児童福祉法成立▼24日、出光美術館は米・プライス財団(エツコ&ジョー・プライス氏)より江戸絵画190点購入を発表。2013年、同夫妻は東日本大震災の被災地・宮城、岩手、福島で『若冲が来てくれました―プライスコレクション江戸絵画の美と生命―』を開催し収益を寄付。伊藤若冲「鳥獣花木図屏風」の、画面溢れる動植物の生命力を届けたかったという。被災者だけでなく多くの人々が勇気づけられ、日本人の不屈の潜在能力も信じさせてくれた。同時展示された円山応挙「虎図」、酒井抱一「三十六歌仙図屏風」、勝川春章「二美人図」等も含まれる▼24〜29日、スイス・チューリヒにて音楽と天文物理学の「第5回スタームス祭」開催。月面着陸から50周年で、アポロ11号の宇宙飛行士らも集結。スティーブン・ホーキング賞はドキュメンタリー映画「アポロ11完全版」のトッド・ダグラス・ミラー監督等受賞▼28〜29日G20サミット大阪。データの最大活用、ジェンダーの平等、海洋プラゴミ廃絶等を盛り込み首脳宣言。各首脳への贈呈品は、工房が今は一つしか無い「天満切子」のペアグラス等▼卒業後、大阪の研究所に3年いた息子が、6月初旬米国の大学の研究室に移り、少し落ち着いたのか、プライド・パレードが凄いと写真を送ってきた。1969年6月28日ニューヨークのゲイバーでの事件が発端のパレードは、LGBT(Lesbian,Gay,Bisexual,Transgender)の運動として全世界に広がり、50年目の今年は一段と盛況に。人類は優しくなっているのだろうか。 <写真にカーソルを合わせ題名表示>

プライド・パレード(ニューヨーク)

 

   2019年 6月号

5月1日、午前10時半よりご即位ライブ配信。三種の神器の「草薙剣(くさなぎのつるぎ)」の形代(かたしろ)と「八尺瓊勾玉(やさかにのまがたま)」の箱、天皇印「御璽(ぎょじ)」、国印章「国璽(こくじ)」が安置され剣璽等承継(けんじとうしょうけい)の儀。同刻、賢所にてご神体「八咫鏡(やたのかがみ)」の形代も祭儀。古文授業の平家物語、安徳天皇が壇ノ浦で三種の神器と入水の段で、御神体から分祀され同じ力を宿す形代を習ったのを懐う。午前11時10分即位後朝見の儀。令和始る▼4日、タイのワチラロンコン国王(66)戴冠式▼北朝鮮は4日に複数、9日に2発の弾道ミサイルを日本海へ発射▼6日、世界132国参加の「生物多様性及び生態系サービスに関する政府間科学政策プラットフォーム」(IPBES)は、人類により約100万種の動植物が数10年で絶滅と警告▼8日、トヨタ自動車の3月期連結決算で、売上高30兆円越し発表▼10日、低所得世帯の大学無償化法成立▼13日、130国参加の「気候変動に関する政府間パネル」(IPCC)で、二酸化炭素等に水素製造でのGHGも追加。温暖化ガス観測衛星「いぶき」及び「いぶき2」の観測データの活用決定▼23日〜8月26日、大英博物館にて海外では最大規模の漫画展「The Citi exhibition Manga」開催。葛飾北斎や河鍋暁斎から手塚治虫等、50名の作家、約70タイトル、約240点の原画及び複製原画を展示。漫画のコスプレで訪れるなど人気である▼30日、「はやぶさ2」は午前11時半頃、小惑星リュウグウに、着陸目印ターゲットマーカーの投下に成功▼大落古利根川近くの春日部市牛島に特別天然記念物で根回り10平方b、樹齢1,200年の藤を擁する「藤花園」が毎年2週間だけ開園。700平方bの藤棚は薄紫の2b程の花房に覆われ、古式ゆかしい香りで包まれる。樹齢800年、600年、300年、150年、白藤とそれぞれの棚も満開に。樹齢150年の花房は、紫の色は濃く艶やかで、香りも強い。ここでは150年は未だ未だ若い。 <写真にカーソルを合わせ題名表示>

藤花園・2メートルの花房

藤花園・10メートルの根回り

 

   2019年 5月号

4月1日、新元号『令和』発表。書聖・王羲之の「蘭亭序」は353年に書かれ、27詩編の序文の草稿は名文名筆の最高峰とされ、300年後に真筆は太宗皇帝が副葬。書を学ぶ者は今も残された能筆家の臨書を手本とする。730年、それに倣った大伴旅人の万葉集巻5・梅花32首の序文が典拠に▼5日、「はやぶさ2」は小惑星リュウグウに2kgの銅を衝動装置から打ち出し、人工クレーターの生成に史上初成功▼8日、天皇皇后両陛下は「第35回日本国際賞」授賞式及び祝宴ご臨席。日本の化学技術のノーベル賞として、松下幸之助基金で1985年創設された。本年受賞の名古屋大学岡本佳男特別教授(78)は1979年に「らせん高分子」の合成に成功し、1982年に分離装置「カラム」を(株)ダイセルが商品化。世界中で医薬品・香料・機能性材料などに利用されている。野依良治教授もこの装置で分析しノーベル賞受賞。同教授は賞金で「岡本若手奨励賞」創設▼10日、ブラックホール撮影成功を日本を含む世界6ヵ所で同時記者会見し、米・天文学専門誌「アストロフィジカルジャーナル・レターズ(The Astrophysical Journal Letters)に6論文公開。200人の国際研究チームは、2017年に地球上8ヵ所の電波望遠鏡で同時観測し、解析結果の画像変換に成功。乙女座のM87銀河に直径1000億q、太陽の65億倍の質量と推定。100年前のアインシュタインの一般相対性理論の実証が宇宙の謎への解明へ▼11日、世界貿易機関(WTO)上級委員会にて韓国に敗訴▼15日、ノートルダム寺院はパリ市民の祈りと賛美歌の中、屋根や尖塔が炎上崩落。13世紀の3つ薔薇窓や多くの文化財は無事救助▼18日、理研・高橋政代氏等は、1年前に他人のiPS細胞で網膜移植した5人全員が順調と発表▼14日、仁和寺の満開の御室桜がライトアップ。満月の19日、二条城も嵐山も桜に包まれた。ネイティブアメリカンは、桃色の花が咲き誇る4月の満月を「ピンクムーン」と呼ぶが、日本では「櫻月」だろうか。桜前線が日本列島縦断の中、10日に両陛下御結婚60年祭典、17日〜19日は伊勢神宮、23日は昭和天皇山陵を親謁。30日、朝に三種の神器に黄櫨染御袍の天皇陛下「退位礼正殿の儀」、夕刻から皇后陛下と「退位礼正殿の儀」に臨まれ、『平成』は日本に平和が成ったまま穏しく幕を閉じて行った。 <写真にカーソルを合わせ題名表示>

パリ・ノートルダム・薔薇窓(南側)

京都・仁和寺(御室桜)

京都・二条城(清流園)

京都・嵐山

 

   2019年 4月号

3月2日、スペースX社の有人宇宙船「クルードラゴン」の無人飛行試験打上げ。補給物資を積みISS(国際宇宙ステーション)を往復し8日、地球へ帰還。スペースシャトルに代わる有人飛行実現に近づく▼5日、中国の防衛費は約19兆8千億円。世界第2位、日本の約4倍となる▼6日、哲学・歴史・理論・文芸への深い造詣から西洋と東洋の建築を結び、若手の建築家への支援の功績も評価され、磯崎新氏(87)プリツカー賞受賞▼10日、スキージャンプW杯・小林陵侑(22)個人総合優勝▼13日、日本天文学会は第1回『日本天文遺産』に、会津若松市の江戸時代の天文台跡「会津日新館天文台跡」と、日食・彗星・超新星・オーロラ等を記した藤原定家の日記「明月記」を認定。天変が吉兆の前兆と考えられていたので、関心が高かったのだろう▼13日、愛媛大・松岡良樹准教授等国際研究チームは、約130億年前の巨大ブラックホール83個発見を発表。既に発見している17個に加え100個となる。ブラックホールは約10億年かけて巨大化するとの定説に、宇宙誕生の8億年後の発見が新たな謎に。又、国立天文台ハワイ観測所の工藤智幸研究員らは、「おうし座DM星」周りに原始惑星系円盤を観測。太陽系起源の解明が期待される▼15日、ニュージーランドでモスク銃撃テロ。50人死亡、50人負傷の犠牲者は14カ国・地域の出身者に及ぶ。オーストラリア人の犯人による実況中継配信がSNSで拡散▼21日、イチロー選手(45)引退。誇れる事は出場のない昨シーズン中、練習を続けた事と語る▼23日、中央区八重洲に杉原千畝Sempo Museum開館。杉原氏が発給した「命のビザ」も展示▼30日に訪れた長瀞は櫻の蕾は硬く枝ばかりだが、500bに足らぬ寳登山神社山頂は、秩父盆地の先に秩父連山が春霞の中で取り囲み、梅園の幾多の梅の花々が満開。桃源郷ならぬ梅源郷は甘かな梅の香に包まれ、鶯の声が響き渡っていた。古来、花見は中国伝来の梅であったという。櫻も良いが梅も良い。 <写真にカーソルを合わせ題名表示>

長瀞・宝登山梅園

長瀞・宝登山梅園

長瀞・宝登山梅園

 

   2019年 3月号

2月1日、日本・EUの経済連携協定(EPA)発効。世界最大級の自由貿易圏で9割以上の関税撤廃▼2日、アニメーション映画のアニー賞は細田守監督(51)の『未来のミライ』が、長編インディペンデント作品賞受賞▼独・メルケル首相来日。4日安倍首相、5日天皇陛下と懇談▼5日の春節を祝い東京タワーが赤く輝く。上野の東京国立博物館で開催中の「顔真卿 王羲之を超えた名筆」展の会場内でも多くの中国語が聞かれた。王羲之(おうぎし)は4世紀東晋の書家で、楷行草を芸術に高め「書聖」と称され後世の手本と成り、顔真卿(がんしんけい)は8世紀の唐の書家。台北・國立故宮博物院で殆ど展示しない顔真卿の祭姪文稿(さいてつぶんこう)には1時間以上の列となり歩きながらの鑑賞▼6日、生誕百年を記念し「やなせたかし文化賞」を創設。絵本『しろくまのパンツ』等、多くの創作活動をしている亀山達矢(42)・中川敦子(40)夫妻ユニット「tupera tupera」が大賞受賞▼8日、「団塊の世代」の名付け親でもあった堺屋太一氏死去(83)▼10日、グラミー賞でヒロ・ムライ氏(35)最優秀ミュージック・ビデオ賞受賞▼16日、ベルリン映画祭にてHIKARI監督の「37秒」が、パノラマ部門観客賞とアートシアター連盟賞受賞▼18日、モナコのローレウス世界スポーツ賞で、大坂なおみ(21)がブレイクスルー賞受賞▼22日、「はやぶさ2」が、地球近傍小惑星「リュウグウ」へ着陸しサンプル採取成功。採取時の砂塵を煙に見立て着地点愛称は「たまてばこ」▼24日、天皇陛下在位30年記念式典。象徴の模索を述べられたが、両陛下は国民の痛みに寄り添い平和天皇を体現された。同日の沖縄県民投票は埋立て反対が有権者数の37・645%▼24日、東日本大震災後に日本国籍取得の日本文学研究者ドナルド・キーン(96)死去▼25日、北野天満宮で菅原道真の祥月命日に910年続く梅花祭。50種約1,500本の梅は、道真を追い太宰府へ一晩で飛んだ「飛梅」と同じ種の右近の紅和魂梅は散っていたが、見頃が多く豊臣秀吉が作った京都を囲む防塁「御土居」も、秀吉の北野大茶湯に因んだ上七軒の芸舞妓総出の野点も馥郁たる梅の香の中▼1月から欧州で中高学生の温暖化対策デモが広がる。参加の画像を送り出席扱い、代案の提出を要求等、学校の対応は様々。60年代の学生デモは大学生だったと遠き日を思う。 <写真にカーソルを合わせ題名表示>

北野天満宮・本殿

北野天満宮・紅梅殿

北野天満宮・御土居

北野天満宮・梅苑

 

   2019年 2月号

1月2日、平成最後の一般参賀に15万5千人。陛下は日本と世界の人々の安寧と幸せを願われた▼3日、熊本県和水町で震度6弱。26日に震度5弱▼3日、中国「嫦娥(じょうが)4号」が月の裏面着陸。ローバー「玉兔2号」のデータは、中継通信衛星「鵲橋(じゃっきょう)」から地球に送信。嫦娥は不老不死の薬を飲んだ月の女神、月兎は仙薬を杵で打つ。鵲橋は牽牛と織女を繋ぐカササギの橋。搭載の蚕の卵と植物の種にはどの様な夢が託されたのだろう▼4日、しぶんぎ(四分儀)座流星群の最大の日。午前4時プロキオンの横を大きく抜ける星1つ。今年も良い星空に会えます様に▼6日、日本で3年ぶりの日食。東京では午前10時6分に最大の3割が欠け、その後に曇天に▼6日、テニス・豪ブリスベン国際にて錦織圭選手(29)優勝▼12日、哲学者・梅原猛氏(93)死去。「梅原日本学」と称され、聖徳太子や柿本人麻呂等の独自解釈も多くの人々を魅了▼17日、日立製作所は、英・ウェールズの原発建設凍結発表▼18日、イプシロンロケット4号機に搭載7機の衛星は正常に分離▼19日、樋口一葉の「たけくらべ」の75枚の和装本直筆原稿が2千百万円で落札。研究者の為に死蔵とならぬ事を願う▼26日、42度越えもあった猛暑の全豪オープンテニスで、大坂なおみ選手(21)が優勝し世界ランキング1位に。錦織圭選手ベスト8、世界ランキング7位▼31日、大阪湾で海保巡視艇「みおかぜ」がイルカ約30頭撮影。3年前から天草のミナミハンドウイルカが住み着いており、昨年末から群れが度々目撃されている。水温の高さ鰯の群れなど豊富な餌が要因▼北極の上空の寒気の渦・極渦が南下しナイアガラの滝も凍り、トランプ大統領は29日に中西部は体感温度が華氏マイナス60度(摂氏51.1度)とツイート。31日、シカゴは摂氏マイナス30度、体感温度は摂氏マイナス45度と北極圏並みで学校や企業も閉鎖。極端な寒暖は人間が原因なのか宇宙の営みか。

 

   2019年 1月号

12月1日から、BSで本格的に家庭向け4K・8K放送開始▼3日、「さっちゃん」「いぬのおまわりさん」等の作曲家大中恩氏死去(94)。父君は「椰子の実」の作曲家で拙宅近くに住んでいた。2,400作曲のうち合唱曲は1,600曲。氏の作曲だけ歌い、自分の葬式以外は欠席不可という合唱団を持つ。8日の葬儀は全国から駆けつけた合唱団員の歌声が礼拝堂に鳴り響く▼5日、第41代米大統領ブッシュ氏ワシントン大聖堂にて国葬(94)。89年、ベルリンの壁崩壊の1ヶ月後の12月3日マルタにてソ連ゴルバチョフ書記長と冷戦終結宣言▼8日、出入国管理法改正案が参院可決▼10日、ストックホルムにて本庶佑教授(76)が、仙台平の羽織袴でノーベル賞授賞式出席▼10日、モスクワのマンション群に6万平方bの葛飾北斎「神奈川沖浪裏」の巨大壁画を市長がツイート▼11日、アルファゼロが自己学習能力で囲碁、将棋チェスに高い勝率に至る▼12日、藤井聡太七段(16)公式戦100勝。最年少・最短記録更新▼21日、2019年度一般会計101兆4564億円の予算案閣議決定▼23日、今上天皇85回目の誕生日。東京タワーは還暦の赤いライトアップ▼26日、政府は国際捕鯨委員会(IWC)脱退と商業捕鯨再開表明。アラスカ、グリーンランド、ロシア北極圏等は「原住民生存捕鯨」として認可されているのだが▼日本EEZ内で北韓中との問題が増加している。漁民、自衛隊員の安全に憂慮▼48年ぶりに3月から内部公開を始めた『太陽の塔』は、岡本太郎氏がヒントを得た、縄文土器の小さく素朴な「月の塔」に比べギラギラと力強い。塔上の「黄金の顔」は未来。中央の唇を曲げ半眼の「太陽の顔」は現在。内部に入ると「地底の太陽」が出迎える。41bの「生命の樹」に単細胞生物から人間まで、183体の生物群模型が色鮮やかに生命誕生順に。背中の過去の「黒の太陽」の眼差は遙かで厳しく興福寺の阿修羅像に似て。2025年大阪万博はどの様なシンボルになるのだろう。<写真にカーソルを合わせ題名表示>

黒い太陽・万博記念公園(大阪)

 

 

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